GAFAと仲間に支えられて
5年前、私は息子のギャンブル問題に悩み、家族や友人のための自助グループ(現「GAFA」)に出会いました。
サッカー好きの息子は、大学時代にスポーツベットにはまり、借金を繰り返すようになりました。「借金さえなくなれば、この子はきっと大丈夫」、そう信じ込み、問題が発覚した大学4年から就職した後もずっと尻ぬぐいを続けていました。息子は闇金にも手をだすようになり、私は身も心も疲れ果ててしまいました。そんな時、ギャンブルの問題を抱える家族や友人が集まり、「言いいっぱなし・聞きっぱなし」で思いを分かち合う自助グループがあることを知り、参加してみることにしたのです。
同じ悩みを持つ参加者たちの話を聞いていくうちに、私がしてきたことはむしろ息子のギャンブル依存症を悪化させていたということに気づきました。そして借金の尻ぬぐいは、息子のためではなく、「自分が早く安心したい」という恐れからだったのだということにも気づいたのです。それからは息子と適切な距離をとり、ある会にも参加してギャンブル依存症についての正しい理解と対応を学びました。
グループにつながって3か月弱、親身に寄り添ってくれたメンバーたちの支えもあり、息子は仕事を休職して回復施設に入寮しました。そして2年4か月後に卒寮し、今は復職して自立した生活を送っています。
最初は息子のために通い始めた自助グループでしたが、今では12ステッププログラムを使い、自分自身の共依存や生きづらさに向き合っています。もともと「誰からもよく見られたい・思われたい」と考えてしまう私は、自分の気持ちを正直に言えず、ずっと感情に蓋をして生きてきました。表面だけを整えてその場をやり過ごしたり、自信のなさからあいまいな話し方をしたり、自分の意見として言い切ることが出来ませんでした。行動を起こすたびに、そんな自分の無力さがあぶり出されて嫌になることもありました。
けれどグループの人たちは、そんな私を責めることなく「そのままの自分を認めていくことが大事」だと気づかせてくれました。「間違っていてもいい。誰もあなたを責めないし、気づいたときに誰かが教えてくれるよ」と。息子がギャンブル依存症になったことは本当に悲しく辛い出来事でしたが、ここに繋がり、心から信頼できる「仲間」に出会えたこと、そして自分自身の問題に向き合えたことは、心の底からよかったと思っています。
ある時、行政のあまりに遅い対応に強く腹が立ったことがありました。
その怒りをスポンサーに分かち合った時、「ネガティブな感情を表出しても、周りの人は案外何も思わないし、誰も離れていかないよ」と言われました。正直な気持ちを話し、それをそのまま受け止めてもらえる安心感に、涙が止まりませんでした。職場にとらわれるような出来事があったときも、プログラムを使って向き合うことができました。以前の私なら、きっと避けて通り過ぎていたと思います。
最近、とある場所で当事者である息子の話を聞く機会がありました。回復施設で面談をした際、母である私が元気になっていく姿を見て、「これでもう家族は自分の問題に振り回されることはないなと分かり、安心して自分の回復に向き合うことができた」と話していました。私がこうして元気になれたのは、この自助グループGAFAと、仲間たちに出会えたから。これからも私は自分の気持ちを丁寧に見つめながら、一日一日大切に歩んでいきます。
神奈川県 まあ


